こんにちは!岡山空港タクシー スタッフ・A子です。
2023年がスタートしました!今年も岡山県各地の名所とその新たな魅力にスポットをあて、地元民ならではの目線で、皆様の旅のお役に立つ情報を発信していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今回は、「倉敷美観地区」(岡山県倉敷市)ご紹介の後編をお届けします。美観地区北東の鶴形山の山頂に鎮座する倉敷総鎮守の宮「阿智神社」とその祭礼に併せて行われる情緒豊かな風物詩「倉敷屏風祭」、倉敷のまちと暮らしを感じるリノベーションスポット「林源十郎商店」、そして商店街で愛され続けるローカルフード・名店など、時代を超えて受け継がれ進化する“まちの文化”をご紹介します。

▼コンテンツ
■町家が軒を連ねる旧街道の本町通りで、温故知新。
・磐座の古代庭園と鶴形山山頂からの眺望「阿智神社」
・江戸町家の往時の風情と心意気を今に伝える「倉敷屏風祭」
■古きよき商店街で、倉敷発の名物スポットと焼きたておやつに、ときめく。
・豊かな暮らしを発信!リノベーションスポット「林源十郎商店」
(ビュースポット「3階展望テラス」)
・地元民に愛され続ける焼きたての味「倉敷名物 えびす饅頭」and more・・・

■町家が軒を連ねる旧街道の本町通りで、温故知新。

倉敷美観地区北側の旧街道「本町通り」は、かつて商人が行き交い、箪笥屋、桶屋など職人たちが軒をつらね、倉敷川沿いより先に町になった場所です。今も江戸時代の面影を残す町家さながらの格子窓の店舗や住居が立ち並び、しっとり風情ある風景が広がっています。そんな古きよき町並みの中に、町家や土蔵を改装した雑貨店やレストランなどが新たな賑わいをもたらし、人々の暮らしや文化が息づく魅力的な佇まいを見せてくれます。

・磐座の古代庭園と鶴形山山頂からの眺望「阿智神社」

そんな本町通りに面して倉敷総鎮守の古い神社の参道があります。倉敷美観地区北東にある小高い丘のような山「鶴形山」の山頂に鎮座する「阿智神社」。創建以来、現在も倉敷中心街の鎮守神として崇敬を集めています。
(阿智神社には2つの参道があり、本町通り添いにあるのが南参道。西参道は倉敷えびす商店街のアーケードが切れたところに入口があります。)


南参道を登ると、境内への入り口「随身門」が見えてきます。
門の上部には、阿智神社オリジナルの御朱印帳の表紙にも描かれ、神社のシンボルともいうべき「うさぎ」の彫刻が施されています。

風格ある拝殿。

主祭神は、宗像三女神(むなかたさんじょしん)。海の守り神で、航海や交通、交易の安全に御神徳があります。
(江戸初期まで倉敷一帯は海で、鶴形山は島だったことから海の神様が祀られています。)
拝殿の奥には本殿があり、宗像三女神が祀られています。

境内には磐境・磐座(我が国固有の古代祭祀遺跡)と呼ばれる多くの石組が点在しています。中でも、拝殿の西側にある「天津磐境」と呼ばれる鶴亀の磐境は、日本固有の信仰と陰陽思想などの大陸文化が融合した神仙蓬莱様式に基づく古代庭園とも呼ばれ、日本庭園の石組の起源を示すものといわれています。

拝殿の向かい側には格調高い能舞台があります。

また、境内の中にある絵馬殿は、とても見晴らしがよく市内を一望できる場所。絶好の撮影スポット&ビュースポットとなっています。
参拝や散策の後、倉敷の町の眺望を楽しみながら、ひと休みできます。

そして、絵馬殿のもうひとつの見どころ。天井を見上げると、色鮮やかな干支方位盤があります。ユニークな意匠が目を惹きます。

阿智神社は、標高43メートルの鶴形山の山頂にあるので、いろいろな場所から倉敷の町を見渡すことができます。


南参道の上から望む町並みも見事。

さらに、本殿の裏手に自生している岡山県指定天然記念物「阿知の藤」は、毎年4月下旬に艶やかな淡紅色の花房をつけ、参拝者の目を楽しませてくれます。「ふじ」は倉敷市の市花。咲き誇る姿は優美そのもので、見応えありますよ。

賑やかな美観地区とはまた違って、ゆったりした時間が流れる静かな憩いの場所。観光の合間に歴史深い鎮守の社でほっとひと息、豊かな眺望と神様の穏やかなパワーにつつまれて、清々しい気持ちになることでしょう。

阿智神社の詳細はこちら
https://achi.or.jp/

・江戸町家の往時の風情と心意気を今に伝える「倉敷屏風祭」

江戸時代、阿智神社の祭礼は別名「屏風祭」とも呼ばれ、町内の各家が、通りに面した格子戸を外し、屏風などを飾り、花を生けて人々をもてなしたといわれています。明治時代に途絶えましたが、その良き伝統と心意気を継承し現代に生かすべく、2002年に「倉敷屏風祭」として有志により復活を遂げ、2017年には日本遺産「一輪の綿花から始まる倉敷物語」の構成文化財のひとつとして認定されました。阿智神社の秋季例大祭に合わせて、本町から東町(本町通りの東)を中心に美観地区一帯で開催されます。

新型コロナウイルス禍により2020年、2021年と連続で中止になっていましたが、2022年は3年ぶりに復活し、白壁の町が活気に包まれました。

商店、旅館、民家など18軒が参加し、屏風や家宝の品々が披露され、会場付近の15か所の施設では協賛展示が行われました。

永井邸

 

上島提灯店

 

如竹堂

 

はしまや

町並みに屏風が映え、風雅な雰囲気が人々の目を楽しませてくれます。各家々の心づくしの「わが家のおひろめ祭」。その美しさに魅了され、目と心の保養になりました。今年の秋の開催も楽しみに待ちたいと思います。

■古きよき商店街で、倉敷発の名物スポットと焼きたておやつに、ときめく。

・豊かな暮らしを発信!リノベーションスポット「林源十郎商店」
(ビュースポット「3階展望テラス」)

本町通りの東は東町、西は古くからの商店街「倉敷本通り商店街」「倉敷えびす商店街」「倉敷えびす通商店街」とつながっています。「本通り商店街」の入口に、特徴的な木造3階建ての建物があります。

生活デザインマーケット「林源十郎商店」。江戸時代から残る薬屋の建物を官民連携で再生し、「豊かな暮らし」をテーマに雑貨店やカフェなど10店が集まる複合施設です。

3階建ての本館と母屋、離れ、蔵の四棟と庭を修復・整備した施設には、倉敷ゆかりの作家や職人による良品がズラリ!本館1階「アチブランチ」のカラフルなマスキングテープや、本館2階「shop三宅商店」のくらしき散歩ポストカードなど、おみやげにもピッタリの、上質でセンス抜群のオリジナル商品に出会えます。私もよく足を運ぶのですが、「ちょっとしたプレゼントに」と思って訪ねては、気付けば自分が使いたいものを無心に選んでいます。あれこれ目移りしていつも時間が足りないので、許されるものなら日がな一日、目に留まったアイテムを手に取り、触れて、その質感を味わって、心ときめく逸品を選びたいものです。

緑あふれる中庭もとても素敵。薬草園もあり、お買物の合間に様々な植物を眺めながらお散歩が楽しめます。

庭内には「林源十郎商店 発祥の地」と書かれた自然石の石碑があります。

「林源十郎商店」は、明暦3(1657)年、倉敷に誕生した薬屋で、この建物は、第11代当主林源十郎が、昭和9年に建築した建物を修復したものです。建設当時、倉敷では木造3階建ての建物はとても珍しく、倉敷のランドマークのひとつになっていたそうです。

地域の人々の健康と福祉に奉仕した林源十郎商店の歴史と、特に地域振興に心血を注ぎ、人々から愛された2人の当主の歩みを伝える展示室が本館2階にあります。
「林源十郎商店記念室」では、倉敷のまちづくりに貢献した林家の歩み、そして、幕末から明治維新にかけて激動の時代に薬屋を発展させた第8代当主「林孚一」と、明治後期から大正、昭和初期に、大原孫三郎や石井十次らとともに、医療・福祉に従事し、倉敷の生活者の暮らしを陰から支えてきた第11代当主「林源十郎」の二人の足跡を様々な展示を通して伝えています。


江戸時代から使っていた薬箪笥など、歴史的な品々も展示されています。

そして、私が特におすすめしたいのが、3階展望テラスから望む美観地区の町並み!

暮らしを彩るセンスフルな倉敷発の生活雑貨に触れ、展示室で林家のスピリッツを学び、そしてここに佇み、あらためて美観地区の町並みを眺めると、先人たちの暮らしや営み、町づくりへの想いが脈々と繋がって、今ここに豊かな日常、倉敷の今があるということを、肌で感じられ、施設のコンセプトでもある“古きをたずねて新しきを知る”という精神を実感することができるでしょう。


また、夏限定で開催されるビアガーデン「倉敷まちなみ屋上ガーデン」(完全予約制)も、美観地区の景色を堪能しながらお酒とお料理を楽しめて、特別感があります。

機能面でも実力を発揮する上質なデザインが集まる名物スポットで、倉敷らしさをたっぷり味わい、暮らしが楽しくなり心も豊かになるアイテムをぜひ見つけてみませんか?

「林源十郎商店」の詳細はこちら
https://genjuro.jp/

・地元民に愛され続ける焼きたての味「倉敷名物 えびす饅頭」and more・・・

「林源十郎商店」から、本通り商店街を通ってえびす商店街に入ると、「阿智神社」の西参道すぐそばに、倉敷市民に愛される庶民派おやつ「倉敷名物 えびす饅頭」があります。

美観地区観光のお友にもぴったりのテイクアウト和スイーツ。私も幼い時から“「阿智神社」にお参りした後、「えびす饅頭」を頬張る”が商店街歩きの定番でした。


阿智神社の西参道すぐそばにお店があります。

こんがり焼いた生地に粒あんがたっぷり、熱々のお饅頭です。倉敷では「夫婦饅頭(フーマン)」とも呼ばれ、「今川焼」「大判焼き」「回転焼き」「太鼓饅頭」など、地域によって呼び方がいろいろありますね。

美味しそうな香りに誘われて、町を行き交う人々が行列をつくります。夏期はお休みですが(ゴールデンウイーク後から9月末まで休業)、倉敷市民の秋冬~春の商店街歩きのお楽しみソウルフードなのです。

他にも、本通り商店街には「牛タンシチュー」や「エビと貝柱入りグラタン」などが名物の洋食レストラン「みやけ亭」、えびす商店街からえびす通商店街に入ると、行列必至の人気店「名代とんかつ かっぱ」など、古くから地元民に愛される名店がいろいろありますので、美観地区観光とともに、ぜひノスタルジックな情緒を楽しみながら、商店街グルメを満喫してください。

「林源十郎商店」や「みやけ亭」がある「倉敷本通り商店街」

倉敷本通り商店街の詳細はこちら
http://hondori.net/

「倉敷名物 えびす饅頭」や「阿智神社西参道」がある「倉敷えびす商店街」

「倉敷えびす商店街」の詳細はこちら
http://ebisumachi.com

「名代とんかつ かっぱ」がある「倉敷えびす通商店街」

「倉敷えびす通商店街」の詳細はこちら
http://ebisudori.com/


そして、最新ニュース!倉敷市内の民間文化観光施設が、平日5日間限定で無料公開されます!
期間:2023年1月16日(月)~1月20日(金)
 (※終了しました)


参加施設情報等、詳細は以下特設サイトをご覧ください。
文化観光施設無料公開特設サイト
https://www.kurashiki-tabi.jp/campaign/facility-free/


(※新型コロナウイルス感染拡大などにより、無料公開を中止する場合があります。)
お問合せ先:倉敷市 観光課 TEL086-426-3411(平日8:30~17:15)

特別協力:倉敷市観光課
(記事作成にあたり、倉敷市観光課様にご協力いただきました。)

倉敷市公式観光サイト 倉敷観光WEB
https://www.kurashiki-tabi.jp

岡山空港から倉敷美観地区までのタクシー所要時間と運賃

普通車で 50分 約8,700円
※当日の交通状況により多少前後しますので、ご了承ください。

※掲載の情報は2023年1月1日現在のものです。