春爛漫の心華やぐ季節を迎えました。岡山空港タクシー スタッフ・A子です。
このたび2023年4月1日より、岡山桃太郎空港と岡山県赤磐市・岡山市旧瀬戸町をつなぐ直行便「桃太郎シャトル」の実証運行がスタートしました!岡山桃太郎空港を利用して旅行などにお出かけの際はぜひご利用ください!

そこで今回は、桃太郎シャトル運行開始を記念して「岡山県赤磐市」にスポットをあて、岡山県の中でも有数のフルーツの産地として知られ、温暖な気候と豊かな自然に育まれた食の魅力、古代吉備国の繁栄を物語る巨大古墳や歴史ロマンが息づく史跡、神秘的な存在感を放つパワースポットなど、その見どころをたっぷりご紹介します。

▼コンテンツ
1.くだもの王国&史跡の宝庫!赤磐市ってどんなところ?
2.謎を秘めた備前地方最大の前方後円墳「両宮山古墳」(国指定史跡)
3.いにしえに誘う巨大伽藍の遺構「備前国分寺跡」(国指定史跡)
4.生産者の想いをまっすぐ伝える旬の直売所「稚媛の里」

くだもの王国&史跡の宝庫!赤磐市ってどんなところ?

岡山県の中南部に位置する赤磐市。吉備高原という安定した地盤の台地の中にあり、風水害や地震などの自然災害が少ないことが知られています。温暖な気候と清らかな水に恵まれ、白桃や蒲萄などの多彩な果樹栽培が盛んです。また米どころとしても知られ、岡山県の気候を使い人工交配を一切せずに作られた希少種「朝日米」や酒造好適米の最高級品種「雄町米」の産地として全国的に有名です。さらに、「雄町米」「朝日米」や豊潤な果実、清冽な水の恵みを受けた日本酒やワインが堪能できる酒どころとしても名を馳せています。
畿内や出雲国と並ぶ大きな勢力を持つ吉備国が広がっていた地でもあり、吉備の三大古墳のひとつ「両宮山古墳」をはじめとする史跡も数多く点在し、古代吉備国の繁栄や大和政権とのつながりを物語るミステリアスな歴史ロマンにふれることができます。
巨大モモ市のシンボル「日本一の巨大桃」
古くからの桃の産地・高倉山のふもとにそびえ立つ直径22mもの巨大なピンクの桃!ガスタンクをペインティングしたオブジェで、市のシンボルとして親しまれています。

桃畑桃源郷の絶景「桃畑(鴨前・西畑地区)」
県下有数の桃の産地・山陽地域。高倉山の裾野に広がる桃畑では、3月下旬~4月上旬には桃の花が咲き乱れ一面ピンク色のじゅうたんに。環境省「かおり風景100選」にも選ばれているその美しさは見事です。

足王神社足の病に霊験あらたかな「足王(あしおう)神社」
「あしおうさん」と呼ばれ親しまれています。鳥居の前には、まるで狛犬のように左右の足が。参拝者は、この石製の足形をそっと撫でで、自分の患部に手を当てて健康を祈ります。
足形

足王神社の詳細はこちら
http://digioka.libnet.pref.okayama.jp/mmhp/kyodo/kenmin/ahiojinjya/ahiojinjya-top-index.html

見どころは盛りだくさん!赤磐市は4 つのエリア(山陽・赤坂・熊山・吉井)からなり、まず前編では、南西部・山陽エリアのおすすめスポットをご紹介します。

■謎を秘めた備前地方最大の前方後円墳「両宮山古墳」(国指定史跡)

墳長206mという巨大な前方後円墳。5世紀後半の築造で、岡山県で3番目に大きく、備前地域では最大規模です。

両宮山古墳
古墳案内板1
現地案内版

近隣の赤磐市観光案内所兼ふれあい市場「稚媛の里」の駐車場が、古墳見学の駐車場として利用できます。駐車場の後ろの土手が古墳の中堤となっています。
古墳駐車場
駐車場内案内板
駐車場内に古墳の案内板があります。

駐車場の西側の道路からお店のすぐ裏の民家脇を通って、もしくは駐車場内の自販機の脇から、中堤に登れます。ビュースポットから墳丘が見渡せます。

墳丘 前方西中堤(古墳の前方・西)から撮影した墳丘。

墳丘裾の保存工事が行われ石材をつめたカゴで保護されています。現地案内版によると、古墳の築造当初は、墳丘の周囲に二重の周濠が巡っていたそうです。現在、外濠のすべてが埋没し、内濠のみが確認できます。

巨大古墳がまさに目の前に!見晴らしが素晴らしく、清々しい気持ちになるとともに、悠久の時の流れを感じます。

墳丘の東側からも古墳にアプローチできます。

古墳案内板2墳丘 前方東東側からみた前方の墳丘。中堤から撮影。

また、両宮山古墳は、立ち入って見学することのできる古墳です。東側道路の民家脇には見学通路の案内板が出ています。

見学通路看板

細い山道を登っていきます。墳丘に上がる途中にも案内板があります。

古墳案内板3

前方部の両宮神社まで来ました。

両宮神社
辺りにはスピリチュアルな空気が漂っています。古墳の中から外を覗いてみると、藪の間から内濠が垣間見え、水上の浮島に立っているような感じです。

両宮神社2
墳丘上に行けるのは、この神社までですが、厳かな雰囲気は存分に味わうことができました。

(赤磐市ホームページより引用)


二重の周濠をもつ古墳は、墓域の拡大や荘厳化を目的に畿内(きない)の天皇陵とされている大王墓などを中心にみられ、大王との近親関係によって採用されたものと考えられます。また、墳丘の平面形は大仙(だいせん)古墳(伝仁徳天皇陵)の大きさの5分の2の大きさに設計されており、こうしたことからも、両宮山古墳に埋葬された人物は、大和政権の有力首長と強い結びつきをもっていたと思われます。
墳丘上の調査はこれまでに実施していませんが、墳丘裾部の堆積層の状況や平成14~16年度の確認調査の成果では、これまでに葺石(ふきいし)も埴輪もみつかっていません。このことは古墳築造の最終作業が行われなかった可能性があり、両宮山古墳の謎となっています。速断はできませんが、何らかの原因で通常の埋葬が実施されなかったのかもしれません。


古代ロマン溢れるミステリアスな巨大古墳。今後の研究によって謎が次第に解き明かされることでしょう。周辺には、和田茶臼山古墳、森山古墳、正免東古墳など、吉備地方屈指の古墳群が形成されており、まさに古墳の宝庫!いにしえのパワーを感じる古墳巡りの1日を楽しんでみてはいかがでしょう?

いにしえに誘う巨大伽藍の遺構「備前国分寺跡」(国指定史跡)

「稚媛の里」の西には、宮寺の遺構「備前国分寺跡」があります。奈良時代、聖武天皇が、鎮護国家を願って全国に建立した国分寺の一つです。
(見学には「稚媛の里」駐車場が利用できます。)

備前国分寺跡案内板1
現地案内版

発掘調査で、南門、中門、金堂、講堂、僧房、塔など主要な建物の跡が確認され、1975(昭和50)年、国の史跡に指定されました。現在は、鎌倉時代の石造七重層塔と祠が残されており、塔と講堂の基壇が復元整備されています。

層塔基壇跡「七重塔基壇跡」
塔は国分寺を象徴する建物で、この塔の基壇は発掘調査から復元したものです。花崗岩製の「石造七重層塔」は、本来の木造七重塔がなくなった後、鎌倉時代後期に建てられ、1990(平成2)年に赤磐市指定文化財となりました。

備前国分寺跡案内板2
現地案内版によりますと、主要な伽藍が南北方向に縦に一直線に並び、そこから東南の位置に塔が配置されている様子から、東大寺(国分寺)式伽藍配置が採用されていることも判明したそうです。発掘調査で判明した堂塔の位置に建物の表示や解説版が設置され、往時をしのぶことができます。

金堂かつて金堂があった場所。

講堂基壇跡1講堂基壇跡2復元された講堂の基壇跡。

当時、国分寺は「国の華」と称えられ、祈りの場・文化の拠点としてだけでなく、福祉や教育の中心でもあったそうです。

青い空と緑の山々につつまれた長閑な風景の中、沿道では犬の散歩をする人や無邪気に遊ぶ子どもたちの姿も。豊かな自然や暮らしに溶け込む貴重な遺構。歴史の深みにしみじみ感じ入り、ほっこり心満たされました。

■生産者の想いをまっすぐ伝える旬の直売所「稚媛(わかひめ)の里」

豊かな土や降り注ぐ太陽の光、清らかな水。その自然や大地がもたらしてくれる恵みを受けた果実や米などの作物とそれを使用してつくられるお酒や味噌などの加工品。それらすべては、確かな技術と情熱をこめて育ててくれるつくり手があってはじめて“上質な味”として私たちの手元に届きます。
「稚媛の里」は、生産者と私たち消費者を直接結び、作り手の想いとそれを購入する人の気持ちをつなぐ架け橋となる直売所です。
稚媛の里外観1稚媛の里外観2
地域で穫れた新鮮な果物・野菜・お米をはじめ、それらを使用して作られたお酒や豆腐、味噌などの加工品、切り花・花苗などを直売しています。

稚媛の里内観1
店内に並ぶのは“旬”に準じた食材。四季と寄り添い、体がそのとき1番必要としている旬のものを提供することを大切にしています。

トマトお米花苗
今の時期のイチオシフルーツは、何と言っても苺です。

苺
とりわけ、赤磐市赤坂地区の題府健治さんがつくる「おいCベリー」は、地元の桃農家さんが「衝撃的に美味しい!」と絶賛の逸品。私も早速購入していただきした。
まず、色が濃い赤色で、大粒でつやつやです。お味は、甘みも濃厚で素晴らしいのですが、程よい酸味もあり、そのバランスが絶妙です。桃農家さんが賛美するのも納得の美味しさでした。苺は様々な品種で5月頃まで楽しめるそうです。
初夏からは白桃、夏から晩秋にかけては「マスカット」「シャインマスカット」「ピオーネ」などの蒲萄、そして秋には梨。梨といえば、幻の洋ナシと言われる「パス・クラサン」も赤磐のレアな特産品として有名ですが(フランス原産の西洋梨で、日本で組織的に収穫しているのは赤磐市赤坂地区だけ。収穫後に追熟することで芳醇な香りと甘み・とろけるような食感が特徴。)、12月に贈答用として少量ですがこちらにも入荷するそうです。

地元・赤磐のお酒も販売しています。

お酒

冒頭でもご紹介しましたが、赤磐は酒どころでもあります。元禄元年(1688年)頃の創業で、数々のコンテストで最高金賞に輝く「室町酒造」、雄町米や朝日米を伝統的な和釜甑で蒸し米にして滋味豊かな酒を醸す「赤磐酒造」、復活した地元の雄町米、地の水と気候風土で醸す「真の地酒」を目指す「利守酒造」など、それぞれに個性豊かな、そこにしかない味が輝いています。

稚媛の里では、お客さんに作り手の名前をきちんと提示しています。また、生産者の想いをまっすぐ伝えるとともに、消費者交流会やアンケートなどを通して、お客さんの声も生産者に届けているそうです。つくる人と食べる人の想いをつなぐ、まさに架け橋なのです。
生産者さんの想いや真摯な姿勢に直接触れることが出来るのは、私たち消費者にとっても安心できてありがたいことですね。

私も取材の後、いろいろ手に取って選んで、題府健治さんの「おいCベリー」の他に、小倉慶司郎さんの「菜の花」と安井さんの朝日米を使用した吉備土手下麦酒の発泡酒を購入!苺の甘い香り漂う取材帰りの車中で、春の訪れを感じる今夜の晩酌ごはんを思い浮かべ、ほっこり笑顔になっていました。

史跡観光とともに、赤磐自慢の旬味、思わず顔がほころび体と心が喜ぶ「その季節だけのご馳走」をぜひ味わってみませんか?(※「稚媛の里」は観光案内所も兼ねていて、レンタサイクルが利用できます。「両宮山古墳」「備前国分寺跡」「足王神社」などを自転車で見学することができます。)

赤磐市観光案内所兼ふれあい市場「稚媛の里」の詳細はこちら
https://wakahime.net/

赤磐市公式ホームページ
https://www.city.akaiwa.lg.jp/index.html

岡山空港からの所要時間と運賃

■岡山空港から 山陽エリア までの 桃太郎シャトル 所要時間と運賃
 30分 2,900円

■岡山空港から 稚媛の里 までのタクシー 所要時間と運賃
 普通車で 30分 約8,000円

※当日の交通状況により多少前後しますので、ご了承ください。

※掲載の情報は2023年4月1日現在のものです。