清々しい初夏を迎え、青空に木々の緑が映える季節となりました。岡山空港タクシー スタッフ・A子です。
さて、「岡山県赤磐市」ご紹介の後編は、赤磐市の南東部・熊山エリアにスポットをあて、小学校跡地を再生した優美な英国式庭園や、岡山県南部の最高峰に鎮座する神秘的な石積遺跡など、その見どころをご紹介します。

▼コンテンツ
1.花と緑に心がほっとゆるむ憩いのスポット「熊山英国庭園」
・「熊山英国庭園」とは?
・見どころ[1]【バラの花に覆われた麗しきガゼボ】
・見どころ[2]【色とりどり 咲き誇るバラの競演】
・見どころ[3]【季節を映す可憐な草花と水辺の憩い】
・見どころ[4]【五感に響いてくる癒しの空間】
2.さながら和製ピラミッド!? 謎に満ちた石積遺構「熊山遺跡」(国指定史跡)
・聖なる山「熊山」の石積遺構群
・周辺の文化財[1]山頂近くにひっそり佇む社「熊山神社」
・周辺の文化財[2]そびえ立つ2本の大杉「天然杉の巨木」(市指定天然記念物)
・神秘的な存在感を放つパワースポット「熊山遺跡」と展望台からの眺め
3.その他エリア(赤坂・吉井)の見どころ

■花と緑に心がほっとゆるむ憩いのスポット「熊山英国庭園」

「熊山英国庭園」とは?

「熊山英国庭園」は、英国園芸研究家のケイ山田氏がデザイン監修した西日本初の本格的な英国式庭園です。廃校になった小学校跡地を活用し、かつての学び舎を自然との共生(トラスト)を思想とする英国式庭園として再生したそうです。

庭園案内図

 

ちょうどこれからバラが見頃という5月12日に撮影を兼ねてお邪魔しました。
入口の、白いバラが咲き始めのドームゲートを入るとすぐ右に、廃校となった小野田小学校に置かれていた記念碑がありました。傍らには備前焼の二宮金次郎像も。かつての名残を今に伝えています。

庭内には約250種800本のバラをはじめ、約16000本のハーブなどが植えられ、四季折々の草花を楽しむことができます。
入園料が無料ということもあり、年間を通じて多くの人が訪れる人気のスポットです。

【バラの花に覆われた麗しきガゼボ】

そんな庭園の一番の見どころは、園中央にあるバラの季節のガゼボ(西洋風あずまや)です!
   ピンクのバラで覆われたガゼボ。絵画のような美しさです。

バラの見頃は5月中旬~6月上旬。ちなみに私が取材にお邪魔した5月12日時点では、ガゼボはまだこんな感じでした。

この記事が公開される6月には、きっと見事な眺めになっていることと思います。

【色とりどり 咲き誇るバラの競演】

前述しましたが、庭内には約250種800本のバラが植えられ、庭園スタッフが丹精込めて育てています。春のバラの見頃は5月中旬~6月上旬、秋のバラの見頃は10月上旬~下旬です。写真は取材・撮影した5月12日時点のものです。


色とりどり、美の競演です。


アーチや柵、テラスの柱などを生かしたデザインで、その美しさがいっそう引き立ちます。

【季節を映す可憐な草花と水辺の憩い】

見どころはバラだけはありません。テーマごとに分かれた空間で、四季を通じて多種多様な花々やハーブが生き生きと目を楽しませてくれます。
中庭に咲いているオルレア

ハーブガーデン

回遊式の水辺の庭園では、スイレンが咲き始めです。


池のほとりでショウブやアヤメ、シャクナゲにも出会いました。

【五感に響いてくる癒しの空間】

どこを切り取っても絵になる花々の風景ですが、自然との共生をテーマとし、周囲を山と田畑に囲まれたその空間は、元小学校ということもあり、格式ばった印象でなく、どこか懐かしく素朴で愛らしい雰囲気です。

丁寧に手入れされた庭内をそぞろ歩き、花々の鮮やかな彩りに眼福し、甘いバラの香りや緑いっぱいの清々しい空気を満喫。鳥のさえずりを耳に、山からの心地よい風に身を寄せると、肩の力がスーッと抜け、心がほっとゆるみます。非日常の別世界ではなく、日常の中にある、原点回帰できる場所なのです。

庭園内の施設では、様々なワークショップやアート展示、イベントも開催されています。花と緑あふれるのどかな癒しスポットで、心身が浄化されるおだやかな時間を過ごしてみませんか?

熊山英国庭園の詳細はこちら
https://www.city.akaiwa.lg.jp/kankou/spot/leisure/park/882.html

■さながら和製ピラミッド!? 謎に満ちた石積遺構「熊山遺跡」(国指定史跡)

聖なる山「熊山」の石積遺構群

岡山県南部の最高峰「熊山」(標高508m)は、古代より聖なる山と崇められており、一帯には33箇所の石積遺構が存在し、山頂近くにある最大のものを「熊山遺跡」と呼んでいます。ピラミッドを彷彿させる特殊な三段方形で、熊山の流紋岩を切り出して積み重ねています。1956(昭和31)年に国史跡に指定されました。


ふもとから山頂へは登山コースがいくつもあるので、歩いて登ることもできますが、私は登山未経験で体力にも自信がないので、熊山山頂駐車場まで車で行き、そこから歩くことにしました。
(ちなみに山頂までの道もかなり細く険しくカーブ続きのため、運転にも自信がなく、安全のためドライビングもプロにお任せしました。)


車で山頂駐車場に到着しました!

案内板が出ています。
ここから10分ほど山道を歩いて登ります。

登山道はきちんと整備されており、分岐ごとに案内板も出ているので、迷わず歩くことができました。

山頂近くにひっそり佇む社「熊山神社」


しばらく登っていくと右手に石段が。「熊山神社」の参道前に辿り着きました。長い石畳の先には光が差し、石鳥居が見えています。遺跡訪問の前に、取材の安全を祈念し参拝しました。

(赤磐市ホームページより引用)

本殿は切妻平入り神明作りで、祭神は大国主命です。近世には熊山権現宮と呼ばれ、神仏習合で帝釈山霊山寺戒光院とともにありました。牛馬の神様として参詣者が多かったようです。

境内には「児島孝徳の旗立岩・腰掛岩」がありました。


中世に活躍した武将・児島高徳が、熊山で挙兵した時に旗を立てたと伝えられている岩です。


また、焼き物の里・備前市伊部が近いこともあり、狛犬が備前焼なのも特徴的でした。

厳かな空気に身を置き、お参りをして清々しい気持ちになったところで、歩みをさらに進めます。

そびえ立つ2本の大杉「天然杉の巨木」(市指定天然記念物)

熊山神社から熊山遺跡へ向かう道沿いに、樹齢約1000年の熊山天然杉2本の巨木があります。市指定の天然記念物になっています。
幹も大迫力!巻かれた注連縄から、熊山神社とともに信仰の対象であったと推察されます。

神秘的な存在感を放つパワースポット「熊山遺跡」と展望台からの眺め

この日はよく晴れて、キラキラと降り注ぐ木漏れ日の中、山道をさらに進むと、急に視界が開け広場に出ました。その奥に「熊山遺跡」が鎮座しています。


写真で見るのと自分の目で見るのは、やはり全然違います。さながら和製ピラミッド!? その神秘的な存在感に驚かされます。

(赤磐市ホームページより引用)

ピラミッドを思わせる方形三段の石積遺構です。岩盤の上に基壇を築き、その上に三段の石積をおこなっています。二段目の各面には龕(がん)を設け、三段目の頂部に深さ2メートルの竪穴があります。竪穴からは陶製筒型容器と奈良三彩小壺が出土したとされています。類例が少なく謎の多い遺跡ですが、奈良時代に築造された仏塔の一種と考えられています。



それにしても、こんな険しい山の山頂に、大きな石をどうやって運んだのか、誰が何のために?実物を目の当たりにすると、ますます謎が深まります。

現地案内板

すぐ近くには展望台があるので、そちらにも足を伸ばしました。

南の瀬戸内海側に眺望が開け、晴れていたら四国屋島や小豆島まで見渡せるそうです。この日は残念ながら少し雲で霞んでいましたが、それでも爽やかな景色を存分に堪能することができました。

熊山神社で神様の穏やかなパワーに包まれ、樹齢約1000年の大杉の圧倒的なエネルギーを肌で感じ、熊山遺跡の神秘の輝きに触れ、展望台で眼下に広がる豊かな眺望を満喫し、何だかすごく気分が上がったような気がします。新緑も素晴らしく、心身ともにパワーチャージできました!

■その他エリア(赤坂・吉井)の見どころ

赤磐市の4つのエリアのうち、前編では山陽エリア(南西部)、後編では熊山エリア(南東部)の見どころをご紹介しましたが、赤坂エリア(中央部)、吉井エリア(北部)にも名所がいっぱい。

約300本の桜の絶景「吉井城山公園」

花と緑と動物たちとの触れ合いを楽しめる自然派テーマパーク「おかやまフォレストパーク ドイツの森」

などなど。

そしてこれから初夏は、いよいよ白桃のシーズン到来です!白桃は、1901(明治34)年に赤磐市(旧熊山町可真村)にあった、大久保重五郎氏の果樹園で発見されたことから、赤磐市は“白桃の発祥の地”であります。


熊山(赤磐市稗田)には、赤磐市の果樹栽培の礎を作った小山益太氏と、小山氏の指導を受け、自らの果樹園で「白水桃(白桃)」を発見した大久保重五郎氏の記念碑があります。

五感に響く、奥行きのあるまち「赤磐」。見どころがまだまだあって、紹介しきれませんが、フルーツをはじめとするその食の魅力や歴史ロマンが息づく史跡、心癒される花や自然の風景にぜひ出会ってみませんか?

赤磐市公式ホームページ
https://www.city.akaiwa.lg.jp/index.html

岡山空港からの所要時間と運賃


■岡山空港から熊山エリアまでの桃太郎シャトル所要時間と運賃
約40分 3,500円(ネオポリスは2,900円)

■岡山空港から「熊山英国庭園」までのタクシー所要時間と運賃
普通車で 約40分 約10,300円

■岡山空港から「熊山山頂駐車場」までのタクシー所要時間と運賃
普通車で 約1時間 約13,700円

(※料金は、2023年6月26日からの新運賃にて、計算しております。)

※当日の交通状況により多少前後しますので、ご了承ください。

※掲載の情報は2023年5月12日現在のものです。