こんにちは!岡山空港タクシー スタッフ・A子です。
蝉しぐれの降り注ぐ、夏の盛りとなりました。今年の暑さは格別ですね。
3年に1度、瀬戸内海の島々と港を舞台に開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2025」(以下、「瀬戸芸2025」)夏会期が開幕しました!その舞台のひとつとなるのが「玉野市宇野港」です。前回2022年の芸術祭開催時にも当コラムでご紹介しましたが、新たな作品も増え、開催エリアも広域に拡大しましたので、今回、「2025年版」として最新情報とその魅力をご紹介します。

▼コンテンツ
■新たな作品も登場!アートな港「宇野港エリア」を歩く
・瀬戸芸2025 景色と融合する多彩なアート作品を体感
・港風情に溶け込む周辺アート作品をゆるりと散策
・ひと休み&眺望スポット「産業振興ビル」

■広域に展示拡大!「田井エリア」で自然も満喫
・想像力を刺激する新作アートワーク 瀬戸芸2025 田井エリア作品
・周辺散策スポット 海と触れ合える憩いの場「田井みなと公園」

■玉野市 その他観光スポット「渋川エリア」
・約1キロメートルの長さを誇る美しい海岸線「渋川海岸」
・瀬戸内海を一望する圧巻の大パノラマ「王子が岳」
・瀬戸内海などに生息する生き物に出会える「渋川マリン水族館(玉野海洋博物館)

 

■新たな作品も登場!アートな港「宇野港エリア」を歩く

岡山県の南端に位置し、瀬戸内海に面した温暖な気候の湾岸都市・玉野市。本州から瀬戸内海の島々への玄関口であり大型客船の寄港地でもある「宇野港」は、瀬戸内国際芸術祭で、アートな島々への岡山県側からのアクセスポイントとなる拠点です。周辺には、港町の風景と響き合う瀬戸芸の公式作品などが徒歩圏内に点在し、6回目の開催となる2025年は、新作アート作品も続々登場!国内外の多彩なアーティストのアートワークを楽しめることに加え、美しい瀬戸内海と緑豊かな山々の景色にも出会えることから多くの人々を魅了しています。

「宇野港の歴史」についての前回記事はこちら
http://taxi.srt-okayama.co.jp/taxi.srt-okayama.co.jp/taxi/archives/397#a

 

・瀬戸芸2025 景色と融合する多彩なアート作品を体感

まずはJR宇野駅からアート散策スタート!海風に吹かれて、のんびり歩いて鑑賞とまいりましょう!

JR宇野駅横
un03 小沢敦志「終点の先へ」


放置された自転車を、アートな自転車へと再生させた作品。レンタサイクルとして借りて宇野港を散策することもできます。

白と黒のラインで装飾した駅舎まるごとモダンアートなJR宇野駅を背景に、カラフルでかわいいサイクルが映えます。

JR宇野駅を背に宇野港方面へ。小型旅客船のりば前の駐車場の後ろ(海側)には、かつて運航していた本州と四国を結ぶ宇高連絡船時代の岸壁跡が遺構として残っており、往時の姿をしのぶことができます。目立たない場所ですが、遺構の脇に案内板もあります。付近に、この後ご紹介する瀬戸芸の新規作品も設置されていますので、目印にされるとよいと思います。

       宇高連絡船の遺構

宇高連絡船の遺構付近
un15 プ・ジヒョン「The Home」

宇高連絡船の遺構近くに、ひときわ異彩を放つ2025年の新たな作品が設置されています。

金属片を統合した大型インスタレーション。クールでインダストリアルな質感を醸し出します。

海に突き出す側に回ると、楕円形のプレートに鏡のように瀬戸内海の景色が写り込みます。

宇野港第一突堤緑地
un14-4 金氏徹平「tower(UNO)」

さらに歩みを進め、宇野港の東側に広がる第一突堤緑地へ。南側のクルーズ船などの大型船が接岸できる岸壁近くに、2025年の新作アート作品が登場!

海を背景にユニークな作品がお目見え!

海景色にぽっかりあいた黒い穴のような部分。こちらに出てくるのかあちらに入っていくのか、何とも不思議です。


トリックアートのような独特の世界観が広がります。

宇野港第一突堤緑地
un04淀川テクニック「宇野のチヌ/宇野コチヌ」

埠頭を西へ進むと、宇野港のランドマークとして親しまれている「宇野のチヌ/宇野コチヌ」が。


玉野のアート作品のシンボルともいうべきオブジェ。瀬戸内の島々で集められた漂流ゴミなどを使い、チヌ(クロダイ)をイメージして制作。今年もお色直しをして、鮮やかな姿でお出迎えしてくれます。

すべり台になっている「宇野コチヌ」とともに、ユニークなアートとして存在感を放ちます。

 

・港風情に溶け込む周辺アート作品をゆるりと散策

宇野港には、瀬戸芸の公式作品以外にも様々なパブリックアートがちりばめられています。

直島行きフェリーのりば近く
妹島和世・西沢立衛「しまSHIMA」

フェリーのりばへ向かって進むと、直島行きフェリーのりば近くに不思議な形のカラフルなベンチが登場!


こちらは建築家、妹島和世・西沢立衛の両氏によるデザイン。瀬戸芸の作品ではありませんが、「アートや海、瀬戸内の自然を感じながら、くつろげる憩いの場として、宇野港での時間をゆっくりと過ごしてほしい」という思いを込め、宇野港を訪れたお客様をおもてなしするために設置されました。モコモコと起伏したユニークな形は、瀬戸内海に浮かぶ島々を表しているとのこと。ベンチなので、腰掛けてフェリーの往来を眺めながらひと休みするのにもおすすめです。

宇野港緑地
玉野市立玉野商工高等学校 機械科 ハート形オブジェ

フェリーのりばの西側にある宇野港緑地には、かわいらしいハートのオブジェが登場!

手がけたのは玉野市内にある玉野商工高校機械科の生徒と卒業生の皆さん。新たな映えスポットとして人気を集めています。

 

・ひと休み&眺望スポット「産業振興ビル」

散策に疲れたら、ちょっとひと休み。小型旅客船のりばから道路をはさんで向かい側に「産業振興ビル」があります。宇野港でひときわ目立つ建物です。

24時間の駐車場(有料)や1階にはトイレ、飲物の自販機、レストランなどがあり、食事や休憩におすすめです。宇野港散策では、私もクールダウンによく利用させていただきます。また、屋上展望スペース(8:30~17:30)からの眺望は見事です。

 

視界が開け、宇野港や瀬戸内海の島々、玉野市街地が一望できます。大型客船入港時や、イベント開催時など、色々な写真を撮るのにも絶好のロケーション。ひととき、心にも風が通ります。

「産業振興ビル」(一般財団法人 玉野産業振興公社)の詳細はこちら
http://www.zai-tama7.or.jp/

 

■広域に展示拡大!「田井エリア」で自然も満喫

玉野市では、宇野港エリアに加え、本年より「田井エリア」にも瀬戸芸2025の作品が設置・公開されています。また、周辺にはおすすめ散策スポットもあり、併せてご紹介します。

 

・想像力を刺激する新作アートワーク 瀬戸芸2025 田井エリア作品

みやま公園
un14-3 金氏徹平「Hard Boiled Daydream(Miyama Park)」Photo:Shintaro Miyawaki

 

玉野市のほぼ中央部、国道30号線に面した都市公園「みやま公園」内に、金氏徹平氏による2025年作品が設置されています。マンガに描かれた物体を拡大し、コラージュした作品で、見る位置によって異なるデザインとなっていて、様々な角度から楽しめます。

「みやま公園」の前回紹介記事はこちら
http://taxi.srt-okayama.co.jp/taxi.srt-okayama.co.jp/taxi/archives/397#d

「Power Base」敷地屋外
un14-2 金氏徹平「Model of Something」Photo:Shintaro Miyawak


「田井みなと公園」の近くにある国内最大級の蓄電池組立工場「Power Base」(株式会社パワーエックス本社工場)。前述のアート作品「しまSHIMA」をデザインした建築家・妹島和代氏が設計した工場です。
その敷地屋外に金氏徹平氏による2025年作品が設置されています。透明な素材にフリーハンドで描いたストライプが幾層にも重なり合うことで、複雑かつ立体的な模様を生み出します。
※公開時間 会期中の9:30~17:00(変更になる場合があります)
また、夏会期から工場見学ツアーを開始。さらに、工場内にポップアップカフェ「BOLLARD COFFEE by PowerX」がオープン。カフェでは本格的なコーヒーや、日本料理の名店「青柳」が監修した限定フードが楽しめます。工場見学ツアーは別途チケット(有料)、カフェやお手洗いのご利用にも入場チケット(無料)が必要です。

詳細と申込はこちらから
https://power-x.jp/events/setouchi-artfest

 

・周辺散策スポット 海と触れ合える憩いの場「田井みなと公園」

瀬戸芸作品が展示されている上記の「Power Base」近隣にある「田井みなと公園」。海スポットの多い玉野市で、知る人ぞ知る、海と触れ合える公園です。自然豊かな場所に位置し、アート鑑賞と併せて散策を楽しむのにおすすめです。

親水広場・芝生広場・遊具広場がある広々とした公園は、地域の人に愛される憩いの場です。



田井港のすぐ隣にある親水広場は、海水を引き込んだ白い砂浜の人工海岸があり、潮の干満が体験できます。砂遊びや水遊びを楽しんだり、カニやヤドカリを取ったり、親子で楽しく過ごせます。

広い芝生広場や、ふた手に分かれた長いローラースライダーなどがある遊具広場は子どもたちに大人気。

涼感をさそう水辺の風景や緑豊かな広場で、大人もほっと一息。訪れた人々に一服の癒しを与えてくれます。

 

■玉野市 その他観光スポット「渋川エリア」

「宇野港エリア」「田井エリア」の瀬戸芸2025作品と周辺のアート作品、立ち寄りスポットをご紹介しましたが、玉野市には、瀬戸内海に南西方向に面した県下最大級のビーチ「渋川海岸」をはじめとする「渋川エリア」にも見どころある観光スポットがありますので、簡単に記します。

 

・約1キロメートルの長さを誇る美しい海岸線「渋川海岸」

      「写真提供:岡山県観光連盟」

白砂青松の海岸線は、約1キロメートルの長さを誇り、「日本の渚百選」「海水浴場百選」にも選ばれている美しい海岸。コバルトブルーに輝く海が一面に広がり、天候の良い日には瀬戸大橋の全景を望むことができます。また、夕暮れ時のシルエットは絶景で、ロマンチックなスポットへと変貌します。渋川海岸を含めた瀬戸内海一帯は瀬戸内海国立公園として国立公園に指定されています。

 

・瀬戸内海を一望する圧巻の大パノラマ「王子が岳」

      「写真提供:岡山県観光連盟」

日本で最初に指定を受けた瀬戸内海国立公園で、玉野市と倉敷市にまたがる高さ234mの山頂からは瀬戸大橋の全景や瀬戸内海の多島美、対岸の四国連山のパノラマが一望できます。渋川海岸に隣接し、巨岩・奇岩が重なり合うダイナミックな眺望は必見。山の上は歩きやすい遊歩道になっていて、ハイキングにも最適です。

 

・瀬戸内海などに生息する生き物に出会える「渋川マリン水族館(玉野海洋博物館)」

      「写真提供:岡山県観光連盟」

海をテーマに昭和28年に開館した歴史ある博物館で、水族館と陳列館から構成されています。水族館には、大小34個の水槽に瀬戸内海の種を中心とした日本各地の海洋生物を約180種2000点飼育展示。
また今年7月、岡山市と玉野市にまたがる児島湖で見つかったバナナのような見た目のニホンウナギが展示されていることで話題沸騰中です。突然変異による色素異常種で1万匹に1匹ほどの割合で見つかるレアなウナギだそうです。

以上、瀬戸芸2025アート作品を中心に、玉野市宇野港広域のおすすめスポットと、玉野市のその他観光名所をピックアップしてご紹介しましたが、まだまだ他にも見どころがいっぱい。
また「瀬戸内国際芸術祭2025・夏会期」は8月1日~8月31日開催中!秋会期は10月3日~11月9日開催予定です。
豊かな自然と現代アートが見事に響き合うメモリアルなアートトリップへぜひ!

瀬戸内国際芸術祭2025の詳細はこちら
https://setouchi-artfest.jp/

特別協力:玉野市商工観光課 (記事作成にあたりご協力いただきました。)

岡山県玉野市 公式ホームページ
https://www.city.tamano.lg.jp/

■岡山空港から宇野港までのタクシー所要時間と運賃

A子6普通車 一般道で1時間20分 約15,500円

※当日の交通状況により多少前後しますので、ご了承ください。

※掲載の情報は2025年8月1日現在のものです。